レサークラフト入門⑤ 実践編 名刺入れ作り その2(終)

レザークラフト入門

 引き続き名刺入れ作り2です。 今回で出来上がります。

菱目打ちを使って引いたラインに沿って穴を開けていきます。
打ち始めは、またぐ様に打ちますが、ポケット側の革が裂けないように穴をあけます。

今回は内側になるほうから穴を開けていきます。


二つ目からは、開いた穴に一歯入れてから開けるとラインがそろいます。

真っ直ぐ垂直に穴を開けるようにすることが大切です。


ぐるりと縫い穴を開け終わりました。

次はシニュー糸の長さの調整です。

縫う長さの3~4倍の長さを必要とします。今回は約3倍強というところでしょうか。

シニュー糸を割いていきます。

3つに割けました。

縫う準備です。糸を針に通します。いろいろ方法はありますが、私はこうしています。

針は両端に付けます。

縫い始めは一つ手前から始めて、折り返してきます。縫い始めが2重になるようにします。

縫うときには必ず決め事をして縫うと縫い目が綺麗です。ここでは縫い始めはポケットの方から一針目を入れるようにしています。

縫い終わりの処理の仕方です。最後まで縫い終わったら、一目から二目戻り縫いをします。

一目分縫い戻りました。

さらに一針戻ります。

ポケット側に抜きます。

画像のように約3mmほど残して切ります。

ライターで炙ります。

あんまり炙ると糸も革も焦げますのでご注意を。

するとこのようにシニューが溶けます。

炙ったら、ライターの後ろで擦ります。

するとこうなって処理完了です。

目立たなくなります。

縫い終わりました。結構、根気が要りますが、すぐ慣れます。

ここでレザークラフト界に語り継がれている格言があります。
「縫い目の乱れは心の乱れ」
やっているとまさにその通りだと実感します。

 縫い合わせました革の表側です。

ポケット側から縫い穴を開けましたので、外革の縫い目は直線的になります。
ポケット側は少し斜めになったような縫い目になります。


縫い終わったあとに、縫い目を軽く叩いておくと縫い目が馴染んで整います。

 これからコバの仕上げに入ります。

ヤスリでコバを整えます。ボンドがはみ出た部分や、微妙にずれて貼り合わせてしまった箇所をきれいにしていきます。


ヤスリで整えたら、トコフィニッシュ(コバトコ仕上げ剤)を塗って、乾いた布でふきあげます。何度かこすると光沢が出てきます。

これで2回ほどです。気が済むまで何度でもヤスリをかけて(順番に細い番手にしていく)仕上げ剤を付けてを繰り返すと苦労が報われるほど綺麗になります。


完成です。 実際に名刺を入れてみるとこんな感じになります。

上のポケットにも入ります。

ポケットにふくらみがあるのがわかるでしょうか。

もし、ポケットがきつかった場合(少しぐらいきつくても使っていれば伸びてきます)のリカバリー技としては、ポケット全体に水をつけて湿らせたあと(ビシャビシャではない)入れたいだけの数の名刺をぴっちりラップで包み、ポケットに入れ込んでそのまま乾かします。するとその形で革に型がつきます。ただ、伸びなくなりますので名刺の数が少ないときには、スカスカして名刺が落ちることがあります。ご注意を。

外観はこうなりました。

何はともあれ、一回作ってみるといいと思います。これが出来たら、大概のモノは作れると思いますよ。
人にあげてもすごく喜ばれますね。

レザークラフト入門 名刺入れ編無事終了です。

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