死神の草刈鎌

日常

 この梅雨の時期から夏場にかけて、草が刈っても刈っても伸びてきます。草刈りをやんなくていいんならやんないんですけど、稲なんか作っていると、害虫のを呼ぶ原因になったり、作業の邪魔になるのでやっぱり草は刈らないといけないんですよね。
 いつも草刈りは、エンジン式の刈払い機でやるんですが、危険を伴いますし、燃料なんかの準備が要りますし、うるさいし、熱いし、排ガス臭いしで気軽にできないんですよね。やり始めれば便利で広い範囲を出来るんですけどね。
 ですので、草刈りをもっと気軽で楽しく出来る方法はないかと考えていたんですが、「鎌」でやるのがいいのではないかという結論に達し、草刈りが楽しめる「鎌」を特注で作りました。
 仕様書を書きました。

我ながらわかりやすい。これで勝負に挑みます。

 仕様書をもって、鍛冶屋へ行き、この仕様書で依頼を受けてくれるか若干不安でしたが、相談したところ作ってくれるようです。

 鍛冶屋の大将は御年80代半ばといったところでしょうか。
仕様書を見ながら大将と打ち合わせをしたのですが、
・長時間使うなら刃渡りはもっと短い方がいいのではないか。1尺(30cm)無いくらいか?
・刃はまっすぐでいいんだな。振り払って使うんだな。
・刃は両刃にした方が長持ちする。
・出来るだけ軽い方がいいな。
・柄と刃物の取付は実際に来てもらってから調整して付けよう。
・70年やっているがこんなのは初めて作る。
・値段は作ってみらんとわからん。
という様な事で、最後の値段の見当がつかないのはちょっと怖いですが、ここの店に売っていた造林用の大きな鎌が8500円くらいだったので、まあ、似たようなもんだろうと自分に言い聞かせて
「じゃあ、よろしくお願いします。出来上がったら連絡ください。」
と、値段が馬鹿高だったらどうしようという気持ちをおくびにもみせず紳士的に言って依頼は完了しました。

 すると早速、次の日の夕方に
「できたよォ」
と大将から連絡がありましたので取りに行ってきました。
大将、仕事が早いわ。「早かったですね」って聞いてみたら、初めてのモノだったので作るのが楽しかったそうです。受け取る時に大将が、「コレ、いい鋼使ってるから、刃を研ぐときは砥石じゃないとちゃんと研げないよ」って。やすりはかかんないよってドヤ顔で言われましたなぁ。

 ↑これは死神が持っているやつですね。
 昨日、打ち合わせした時は刃渡りは、尺(30cm)無いくらいって言ってたのに出来上がりには38cmの刃が付いていました。作っているうちにやっぱり長い方がいいなって思ったんだそうです。

 柄の長さは135cmです。まあ、いい長さですね。もう少し長くても良かったような気がしないでもないですが、いいでしょう。屈まずに十分使えます。
 そして刃の取付角度です。微調整してもらって刃物の部分を付けてもらいました。これで、使いこなせるかどうかは私次第。

 さて、今回の死神の草刈鎌の気になるお値段は・・・・プライスレス!!
・・・・嘘。10000円でした。この鎌を受け取るときに少しドキドキしながら、「いくらですか」って聞いたら、しばらく間があって「・・・・一万円?」みたいな言い方だったので、果たしてこれは安く作ってもらったのか、少しぼられているのかはわかりませんが、十分予算の範囲内でしたし、私専用の1点ものなら安いと納得し、さっとお金を払いました。
世界に1つの私専用の鎌なので満足しています。

 さて実践です。
スパッ、スパッと切れるかと思いましたが、背の低いススキなんかは切れが悪いです。これは刃を研がないといけませんね。鎌を動かすには、腕ではなく腰を回転するようにした方が楽で効率がいいですね。初めのうちは慣れないので無駄な力が入っていて少し肘が痛くなってしまいました。

 フェンス際を切るのに変な気を使わなくていいのはいいですね。際を切るときはまっすぐ引くように切るといいです。広いとこでは、軽快に15ヤードを目指すアプローチ(急にゴルフでの例え)のように振るといいですね。

 あんまり地際を切ろうとすると石に当たって刃が欠けたり、刃先が地面に刺さって抵抗が増すので、思い切って地面から5~10cm上くらいを目指して鎌を振るようにするといい感じです。
 その後、刃を研いでみたのですが、スパッと楽に切れるようになりました。何よりも切れる刃を作ることが一番ですね。切れない刃でやるとこれはただの素振りトレーニングになりますからね。肘が痛くなったのは刃が切れなかったからかもしれません。刃が切れてスッパ、スッパと草が倒れると何とも気持ちいいですよ。ただ、刃渡りが長いので研ぐのも結構大変ですけどね。切れなくなったら休憩で刃研ぎです。
 「この草、切られたことにまだ気づいてないっ」
なんて言いながらの草刈りは楽しいですよ。・・・独り言なんですけどね。

 ん~、この鎌、みんなに勧めるかと聞かれたら・・・、電動の草刈り機の方が楽でいいかな。笑

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