ノギス(アナログ)の使い方

技術

 ノギスって鳥を知ってますか?
 初夏の頃になると、庭先に出てきて、
「コックローチィ、コックローチィ」
と大きな声でさえずります。灰色で大人のこぶしほどの大きさの鳥です。体に比べてクチバシが大きいことが特徴です。
 その鳥に似ていることから今回紹介する工具はこう呼ばれるようになったということです。・・・・全部嘘です。

 さて、ノギスとはモノの幅や厚みなどを正しく測ることが出来る測定工具です。私が使っているノギスは0.05mm単位で測ることができます。
 何か工作する時には、持っているとより精度の高いものが作れますし、気になるモノのサイズを知りたい時に何かと便利です。

 今回は、一家に一つは欲しいノギスを紹介します。

 ノギスもデジタルのものであれば、測ると数値がパッと画面に出て、使い方に困りませんが、このアナログのノギスは自分で数値を読まなければなりません。
 難しいものではありませんが、使い方を知らないとちょっとわかりません。

 ↓ まずは各名称から。まず、ノギスの本体に書いてある定規の部分が本尺目盛りです。①がジョー(外側用)、②がクチバシ(内側用)、③が副尺目盛り(バーニヤ)、④が止めネジ、⑤がデプスバーです。

 ↓ 精度は本尺目盛りの後ろの方に書いてあります。(バーニヤに書いてあるのもあります。)これは、0.05mmですが、0.02mmなんかのものもありますね。100円ショップにもノギスが売っていましたが、測れる最小値は1mmでした。まあ、そうですよね。

最小値は0.05mm

 ノギスの使い方としては、ジョーを使って、直径や外径を測ります。また、クチバシを使って、内径を測ったり、デプスバーでは深さを測れます。
 ちょっとわかりにくいですが、先端とクチバシの一部を使って奥行きを測ることも出来ます。

測る時に大切なことは、測る対象と直角にノギスを当てること。斜めになると正確ではなくなります。

 前置き長くなりました、さて、どうやって使って数値を読み取るのかの実践スタートです。

 それでは、大きな丸ワッシャー(実はハーレーのクラッチを整備する時の特殊工具。けっこう高くて480円/枚)の直径を測ります。
 ↓ まず、ジョー(あご)で挟みます。余り力まず、直角に当てることが大切です。スライドさせる時はバーニヤに付いているノブみたいなところで動かすとスムーズです。

 ↓ そして、副尺目盛りの「」のところを見て、本尺目盛りの数値を読み取ります。0.1mmは切り捨てて考えます。ここでは「43mm」と読み取ります。そして「」のラインが43mmと44mmの真ん中付近にあるので、およそ43.5mm辺りかなと予想を付けておきます。

 ↓ 次に細かい数値を読み取ります。
 「本尺目盛り」と「副尺目盛り」の線が一直線になる(ピッタリ合う)ところを探します。ここでは副尺目盛りの「6と7の真ん中の線」のところが本尺目盛りとピッタリあっています。副尺目盛りの1マスは0.05mmなので、ここは0.65mmと読み取れます。

線がピッタリ合ったところがズバリ!

 ↑ ここまでの読み取りの結果で、「43mm+0.65mm」で、丸ワッシャーの直径は43.65mmということがわかりました。
 初めの方に説明したようにざっくり43.5mmくらいかなと当たりをつけておくとスムーズに探せます。

 ↓ 練習問題です。さてこのナットは何ミリ?

 ↑ これは簡単でしたね。14mmです。

 ↓ さてさて、お次はナットの内径を測ります。これ何ミリ?

 ↑ これはわかりにくい。写り方ですが、どのラインも合っている様なところがありますね。副尺の2~4の間は合っているように見えますね。肉眼で確認したところ、ここでの正解は8.25mmでした。

 ↓ 深さを測ります。実際は穴の中などを測る時に使いますが、今回はナットで代用です。

 これもわかり難いですが、正解は8.1mmです。画像だとわかりにくいですね。

 ↓ お次は、奥行きの測り方。デプスを使って測ってもいいのですが、直角が出にくいので、先端とクチバシを使って測ります。

段差などがあるものを測る時に使います。

 ↓ 画像の中で矢印で示した部分を当てて使います。こう使うと直角が出やすいのです。

 さて何ミリ?

止めネジを締めこむとそこで固定できる。

 今回の正解は、また見難くてごめんの39.9mmでした。
 実際使うともっとわかりやすいので、心配要りませんよ。

 ノギスの使い方、わかってもらえましたか?1つあるといろいろと便利です。ただ、いい値段がするので、いろんな工作道具を揃えた後でいいかもしれませんね。

 ◎所有した後のアドバイスとして、思春期の男の子に与えると、すぐ、自分の測っちゃいますから貸さないほうがいいですよ。

→ DIY へ

コメント