お漏らしを止める。フロントフォークのオーバーホール

バイク

 前回、ガバナースプリングを交換し、試運転した際にフロントフォークからのひどいオイル漏れに見舞われました。
「もう!このお漏らしっ子め!」
と叱り付けた後、勝手には直りそうも無いので自分で直すことにしました。

 フロントフォークのオイルシール交換で済まそうと考えたんですが、なぜフォークオイルが漏れ出したか?これはインナーチューブに傷がある(錆た跡がある)のが原因だからだという結論にたどり着きました。これを直しとかないと、いくらシールを変えたところですぐに傷がついてオイルが漏れ出すのです。人間のように傷をほったらかしても直るのならいいのですが、機械は悪くなることはあっても良くなる事はありませんもんね。これはもうインナーチューブの交換しかありませんね。

↓そうは言ったものの、なかなか思い切った買い物になりますので、その夜に、多少の酒の力を借りてポチリとネット注文しました。
 このバイクのインナーチューブはあんまり無い部品なのですが、奇跡的に在庫がありました。残念なのは、この際にフォークスプリングも新調しようと思ったのですが、スプリングの方は別途注文で入荷待ちとなりました。

ハードクロームのフォークとオイルシール

↓フォークオイルは前回にオイル交換して残っているものを使います。広島高潤のフォークオイルです。このオイル、いいような気がします。

 ↓それでは作業スタートです。ジャッキアップしてフロント周りを浮かせます。車体を持ちあげるときは安定の為にジャッキは2つ使うようにしています。そして、必要以上に持ち上げないことも大切です。高い位置でこかしたら大変です。このバイク結構重いんですよね。

↓タイヤはもちろん、フェンダーからブレーキ、スピード測定用のケーブルなどすべて取り外します。結構な手間ですよ。

 ↓フロントフォークのキャップは薄くて作業性が悪いですね。

↓取り外しました。ここまで、ジャッキアップからおよそ1時間半の作業です。もっと慣れて来るともっと早く出来るんでしょうけど、個人じゃぁ、そんなに頻繁に外すものでもありませんしね。

 ↓外してよく観察してみると、黒丸で囲まれた部分にちょうど錆び跡があります。その他にも錆がありますが、ここの部分がシールを傷つけていたのでしょうね。実は、この傷、20数年前にこのバイクを買ったときからあるのは知っていて、いつか直そうと思っていたのです。直そうと思ったときになかなかインナーチューブが見つからなかったのです。その昔(10年程前)に一度、アメリカに直接注文したら、別の部品が届いて心が折れたのですwww

↓インナーチューブを外す時には、フォークのアウターの底のところにあるボルトを外さないといけないですが、このボルトはインパクトレンチでないと外れません。だめもとで持ってた木工用の電動工具でやってみたんですが、なんとかなりました。ホッ

 ↓インナーチューブを抜き取ったら、いよいよオイルシールの交換です。専用の工具があると楽なのですが、あまり使うものでもありませんし、このためだけに買うのもなぁ。ということで、タイヤレバーで何とかしました。簡単そうに見えますが、なかなかてこずりました。コツは一箇所を攻めるのではなく、位置を徐々に変えながらシール全体を少しずつ動かしていくことでした。

↓悪くなったシールを取り外したら、綺麗に掃除をした後、新しいオイルシールを取り付けていきます。今回は両方のシールとも交換しました。
 均等に打ち込んでいくために、大き目のボックスレンチを使って打ち込みました。ところで、オイルシールにも入れる向きがありますので打ち込む前にしっかりと確認が必要です。間違えて打ち込んでしまったらもう・・・反吐が出るほどの自己嫌悪になりますね。・・・いや、やってませんよ。

さてさて、清掃やオイルシール、パッキンの交換が済んだら組み上げていきます。

↓どうしてもここは供回りする箇所なので木工用のインパクトでボルトを締め込みます。ボルト穴をなめないように注意しながら、バリリッと一撃。組み上げ完了。

↓組みあがったフロントフォークは動きもよく、一安心です。懸案事項がまた一つ解消されました。

↓さて、それではフロントフォークを車体に取り付けていきます。取り外す時よりはスムーズにできました。ブレーキなどの取り付けもあるので、しっかり何度もボルトの締め付けを確認することが大切です。命に関わりますからね。

取り付けが終わったら、フロントフォークにオイルを入れていきます。ここのオイルの量はマニュアルによれば、完全分解したのでドライの177.4ccです。

↓それほど精密なバイクじゃないので、ざっくり約180ccを投入します。自己責任です。

↓オイル入れます。ハンドルを取っておくともっと入れやすかったのですが、面倒くさくて外しませんでした。オイル入れにくいです。もちろん反対側も同じようにオイルを入れました。

↓走行試験行ってきました。オイル漏れもなく、サスの動きもしゃっきりしました。スプリングはまだ変えてないのですが、新しいオイルの効果でしょうか、変にフワフワした感じが無くなって走りやすかったです。

 ボロいバイクですが、次から次に出てくる悪いところを出来るだけ自分で直して乗っていると、どんどん愛着がわいてきますね。
 壊れる度に「もう、売り払ってしまうか」という思いが頭をよぎりますが、直して走るとすっかり忘れてしまいます。
 こやつ、罪作りな奴ですね。・・・ひょっとして俺がM気質なだけなの?

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