東屋(ガゼボ)を作る 1 基礎編

東屋

 東屋って、ひょっとして「ひがしや」って読みました? 今回は「あずまや」が正解ですね。
東屋とは、公園とかにある柱と屋根だけある日よけの様な建築物ですね。洋風なものはガゼボって言われてる様ですね。パーゴラともいうのかな。どうして「東屋」って呼ばれているかというと・・・、気になる時は自分で検索してみてね。
 今回は、東屋を庭に作ろうと思います。下の画像の一角です。約2m×2mでいこうと思います。

 建てようとするところの木を抜きました。意外と根が張っていてなかなかに苦労しました。抜いた木は実家の畑の隅に移植してきました。いつか植えなおすかもしれませんのでね。
 木を抜いた後に、庭の擁壁を基点にしておおまかに建物の位置を出します。杭を打ち、紐を張ります。これを「縄張り」といいます。「おどれッ、ここはワシの縄張りじゃけぇのう」とかで使われる「縄張り」の語源になりますね。

 縄張りを囲むようにして「遣り方(やりかた)」を作ります。遣り方は、建物の基準線を出すために重要なものとなります。水平を出し直角を出すベースとなるものです。ですからこの遣り方が狂うと建物が狂うことになります。トランシットなる文明の利器を使うと簡単に水平直角が出るのですが、私はもって無いので原始的な方法でいきます。まずは縄張りの部分を囲むように杭を立てます。

 立てた杭に水平を出していきます。水平というだけあるので「水」を使います。
やり方は、バケツに水を張りその中に透明のホースを入れて、ホースに口をつけて水を吸いだします。ホースの中に水を充填したらこれからあとはホースの先端をバケツの水位より下げないようすると、ホース内の水位とバケツの水位は同じになります。中学校くらいで習いましたよね。大気圧のアレですね。
 ホースの水位を杭に写していきます。

 ホースの水位を杭に写していきます。今回の基礎は単純な正方形ですが、杭が12本あるので12回は位置を変えて写していかねばなりません。今回は念を入れて2周したので24回はチェックしましたね。地味に疲れます。ここは大事なので念には念を入れて確認しておきます。
 これで水平の基準が取れました。

 水出しした印を基に板を張って「遣り方」が完成しました。確認のため、張った板の上に水平器を置いて水平が取れているか確認しましたが、どれも水平が取れていたので一安心。

 遣り方が出来たので、次は遣り方を使って正確な基礎の位置だしを行います。
 そのために今度は直角を出す大矩(おおがね)をつくります。まあ、大きな三角定規ですね。
 この大矩作りが失敗するといつまで経っても基礎の位置が出ませんので、慎重に作ります。

 作り方は、板を3枚用意して、一辺の長さが3:4:5の三角形が直角三角形であることを応用して作ります。
 今回は、90cm、120cm、150cmで作りました。板の真ん中に中心線を引いて基準線としています。

 簡単なのですが、正確に作るのはなかなかに難しいです。何度も長さを確認して作りました。特に一人で作るのは至難の業。猫の手も借りたかったのですが、近くにいなかったので、クランプを使ってスケールを押さえながら測量して作りました。

 大矩が出来たら遣り方に水糸を張り、正確に2000mm×2000mmの正方形を作り出していきます。
 まず、基準となる直線を一本出して(今回は擁壁から600mm取りました)、その直線を基準に2000mmの位置に直角を取って正方形を作ります。正方形の水糸が張れたら、確認に対角線の長さを測ります。対角線の長さが2828mm(2√2)だったら間違いなく正方形が出来ていますね。1:1:√2の直角二等辺三角形が2つ出来ていれば完成。言うのは簡単ですが、実際の調整になかなかの時間がかかりました。実は3回ほど大矩を作りなおしたことをここに報告しておきます。

 正確に張れた水糸をベースに基礎の根切をします。
水糸の交点から垂直に線を下ろし地面にマーキングし基礎となる束石より大きな基礎穴掘りします。

 貫板の天板を基準として根切。基礎の穴掘りのことを「根切」といいますね。根切の最下点を印したした道具をつくり、確認しながら掘ります。掘りながら分かったのですが、地盤は良好のようで、あまり砕石を入れる必要はないようです。まあ、入れましたがね。

 4か所の基礎の穴を掘ったら、自家製の転圧器(タコ)で穴をドンツク、ドンツクして固めます。その後に砕石も入れて再びドンツクドンツク。これで基礎の下地はおおむね良好に出来ました。

 基礎の穴が出来ました。明日は雨の様なので、少し雨に当てて地盤を落ち着かせて束石を据えていこうと思います。始めに木を抜いた穴は基礎で出た土を入れて埋めました。その上に基礎の部分から剥いだ芝をかぶせて原状復帰完了。ああ、俺、いい仕事をしたなぁ~。

 2日経ちました。雨も上がって地面も乾きました。地盤も落ち着いたようなので基礎工事再開。
 セメント1:砂2の割合でモルタルを作ります。大した量ではありませんが、地味に腰に来る作業です。

 練ったモルタルを基礎の穴に入れて束石を据えていきます。
 モルタルは水糸の高さから39cm下がりで厚みが3cmほどとしました。1cmほど束石をめり込ませて仕上げます。束石の高さが20cmほどあるので、束石の天板が水糸から20cm下がりで仕上げます。

水平器を使って束石が水平に座るように調整します。

 4つの束石をすべて据えました。完成したら遣り方は取っていいのですが、正しい位置に束石があるか、すべての高さが揃っているかの確認を何度もします。今の段階でしたらまだ修正が効きますからね。束石と束石に板を掛けて水平器を当ててみてどれと当ててみても水平なので一安心。距離も測って大丈夫の様なので遣り方を解体します。

 基礎が出来ました。モルタルの強度がある程度出るまでしばらくは放置プレイ。

 基礎だけ見るとどうも曲がっているようにも見えますが、まあ、目の錯覚でしょう。
さて、次は木材を買ってきて、木材の刻みをやっていきましょうかね。木材は主に3寸角(90×90)で造ることにします。

刻み編

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